生きるべきか死ぬべきかの作品情報・感想・評価

「生きるべきか死ぬべきか」に投稿された感想・評価

す

すの感想・評価

4.0
面白かった…!

風刺がガンガン効いてるのはもちろん、短い尺の中の短い登場時間でそれぞれの人物の特徴や個性が強調されていて、のちのちその伏線が気持ち良いように回収されていくという、、、。

国もスリッパも大事、ていうのもわかる。名言だと思った。
人間らしさ、と戦争、についてコミカルに描きあげられた一本

ほぼ80年前に作られた映画だとは思えない、今観ても新鮮に楽しめる作品でした
戦争になろうとも、演劇は死なず。

演劇人がナチスに真っ向勝負を挑んで笑わせるサスペンスコメディ。
公開されたのは、第二次世界大戦中の中間に位置する1942年。
ヒトラーがアメリカに宣戦布告した翌年に、アメリカがヒトラーを素材に用いてエンタメにしたところがすごい。

ドイツのアメリカへの宣戦布告のきっかけは、日本軍による真珠湾攻撃なので複雑な気分。
日本が宣戦布告前にだまし討ちした件は映画の中でも触れられている。
ナチス側の無能な上官のおかげで、若干ご都合主義なところがあるが面白い。
戦前のエンタメ映画としては一級品。

原作はエルンスト・ルビッチ監督のために友人の戯曲家が書いたもの。
いつもの小粋なルビッチタッチに、有名な戯曲を絡め、演劇人の役者魂を活かした裏の裏をかく脚本がさく裂している。
エルンスト・ルビッチ監督は、ビリー・ワイルダー監督の師匠でもある。
作り込まれまた脚本にテンポの良い掛け合い、95分の尺と完璧。
嵯峨

嵯峨の感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的に超好き。本当にこれが戦時中に制作されてるんだからすごいよなあと思った。古い映画だけど今見ても大体の人が楽しめる作品なんじゃないかと思った。けどこの作品について言及してる人が少なくてそれはちょっと意外でした。「イングロリアス・バスターズ」とかモロでしょ!!w

「バレるかバレないかサスペンス」的な緊張感ある話なんだけど、そこに負け犬達の一大大勝負だったりラブコメとかが入って松本人志が良く言う「緊張と緩和」が非常に作品をコメディにしてて笑った。
例えば最初の偽ゲシュタポ大作戦のところとか、基本的にあの役者連中の大根っぷり、負け犬っぷりがハラハラさせるのと同時に「バカすぎる」っていう笑いがあったり。
これって一幕目でしっかりキャラ設定ができてるからだと思っていて、基本的にみんなバカ!!ってのと旦那さん、本当に最高のキャラクターだと思うんすけど、徹底した小心者っぷりとか、こういうところがここぞという場面で出ちゃうっていうね
、はっきり言ってそういうの無きゃ「バカだなあ」ってイライラすらすると思う。・・・三谷幸喜の映画がそう。
割と日本映画でも良く見る作りなんだけど、伏線が回収されていき全部がつながるって構成なんだけど、ちゃんと物語として必然性のある伏線の出し方、回収の仕方が大事だったりするような・・・と映画見て改めて思いました。
あと何気にラストがすっごい好きです。もう完全なハッピーエンドで終わらせない感じだったり、「なんやかんやで不問にしてたけど、そっちの問題全く片付いてないw」っていうのがね。もうあの空気の読めなさはパブロフの犬っすね。
Maoryu002

Maoryu002の感想・評価

3.8
第二次世界大戦中のポーランド。役者ジョセフ(ジャック・ベニー)と妻マリア(キャロル・ロンバード)を中心としたツラ一座がゲシュタポ相手に大芝居を打ち、地下組織の支援とイギリスへの脱出を図る。

「天国は待ってくれる」もかなり面白かったエルンスト・ルビッチ監督による戦争コメディだ。
こんな映画を1942年に作ってるってところが凄い!

特に前半はスパイものとしての面白みもあって、一瞬、シリアスなドラマが始まるかと思いきや、やっぱり愉快な騙し合いが展開する。随所にクスッと笑わせる小ネタが散らばっているのが楽しい。

特にゲシュタポをおちょくりまくってて、間抜けな描かれぶりが気持ち良かった。
そして、一座の大芝居の中で、ドイツ兵たちの盲目ぶりをしっかり揶揄しているのが抜け目ない。

名台詞「生きるべきか死ぬべきか」を合言葉にした愉快な三角関係は、あえて倫理観を捨てて楽しむのがいい。
rokurot

rokurotの感想・評価

3.6
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」シェイクスピア作の悲劇、デンマークの王子ハムレットの台詞。

ルビンスキー、コビンスキー、ロミンスキー、ロザンスキーとポズナンスキーの看板。

1939年8月、ポーランド・ワルシャワ。欧州はまだ平和。ある日、街ゆく人は車を急停車し、立ち止まり、見つめる。あれは幽霊か?聴衆は恐れおののき、仰天する。あれは本物に違いない。口髭の男、アドルフ・ヒトラー。

ワルシャワの街中に、ヒトラーが一人で現れる。喧騒をよそに淡々としているヒトラー。まさか肉に興味があるのか?菜食主義者のはずでは?食生活が変わったのかも。国だって飲み込む男だ。ポーランドもか?そもそも彼はなぜここに?全てはベルリンのゲシュタボ本部で始まる。

ヒトラー万歳。司令官の下に現れた将校。面会を求める男がいる、と連れてきたのは一人の男の子。おもちゃの洗車が欲しいのかね?成績優秀なら父が買ってくれます。総統が君の成績を見て用意してくださったぞ。おもちゃの戦車を渡す。ヒトラー万歳!喜ぶ男の子。誰に貰ったか父上に話すだろ。もちろん。きっと父上は総統を好きになる。当然だよ。今は好きではないのかな?うん。笑い物にすることはあるのかな?ナポレオンはブランデー、ビスマルクはニシン、ヒトラーは・・・、チーズかな?部下の男が答える。そう。なぜ知っている?自然な思いつきです。そうか、、、何だと?誤解しないでください。私はいつだって、ヒトラー万歳、ヒトラー万歳。

そう問答していると、一人の男が現れ、総統が到着した胸を告げられる。総統であるヒトラーが現れ、万歳!と手をあげる司令官や将校。ヒトラーも手をあげ。自分に万歳!と呟く。台本にない!演出家が立ちあがる。

ナチスドイツを芝居にして演じようととしている劇団。演出家はヒトラー役の男に不満を持ち、納得せず、舞台の題材をハムレットに差し替える。主役はトゥーラ夫妻。夫婦仲はうまくいっていない。

ある講演中、妻であるマリア・トゥーラの下に三日連続で花が届けられる。浮気を疑う夫だったが、シラを切る妻。知らないと言ったことは本当だが、薄々勘づいている。三日連続で前方の席にいる、青年将校であることに。勘は当たり、青年将校から手紙を貰った妻は、「生きるべきか、死ぬべきか」で始まる長台詞の時に、楽屋だ会おうと返事をする。

そして、次の日の講演中、ハムレット役の夫が「生きるべきか、死ぬべきか」と発した途端、一人の男が立ち上がり、舞台を出ていく。主役である夫はそれを唖然としながら、見つめるのだった。


感想

第二次世界大戦中であった1942年に公開され、軽妙なタッチでナチスドイツを批判しながらコメディを描いた作品。「生きるべきか、死ぬべきか」という印象的なセリフを場面転換の始まりで用いて注意をひき、観客を飽きさせない。

戦時下というシリアスな状況にも関わらず妻の浮気を疑う夫や、スパイであるにも関わらず美しい女性に目がない男たち、名もない端役の役者が大舞台を求めて命を捨てる覚悟する姿など、どんな状況でも己の欲望に忠実な人間たちを描いている。

また、口ヒゲという象徴的なものがあるだけで信用してしまうという人間の軽薄さや、自分は悪くないと部下に押し付ける滑人間性などを軽妙に描いていて、笑ってしまいつつ、現代にも通じる問題提起になっている。

ただ、展開が早すぎて、軽妙すぎて、上滑りしているようにも見えてしまい、批判しているのか、批判していないのか、中途半端な印象を持ってしまう。みんながそれぞれ適度に思っていることを、こう描けばいいんでしょ?というように信念のようなものは感じなかった。終盤の端役の人のセリフは、物語序盤のセリフを回収した形になるが、その言葉が物語上必要なものだったのか、いまいちピンとこない。その男の自己中心的な発言にも思えた。

所々クスッとなるようなセリフはあるが、刺さるセリフはシェイクスピアの言葉でしかなく、この映画独自の言葉や文脈は感じられなかった。

人間というものの本性を笑うというのが、健全かどうかわからない。人の滑稽な姿を見て、優越感を感じることが面白いというのであれば、観客は存分にその感を感じ取れる作品。


○プロットポイント
・生きるべきか死ぬべきか、席を立つ
 戦争の始まり
・生きるべきか死ぬべきか、起き上がる
 喧嘩の始まり
・生きるべきか死ぬべきか、激怒する
 真実を知る始まり
・生きるべきか死ぬべきか、席を立つ違う男
 新たな疑いの始まり

○印象的なセリフ
・ナポレオンはブランデー
ビスマルクはニシン
ヒトラーはチーズ
・収容所のエアハルト
・シュルツ!
・ドアの開け閉め
・確かめることすらしない
・我々になにを?ポーランドに何をするんだ。
 我々も人間だ。目や手や臓腑も感覚も
 感情も愛情も情熱もある。
 同じものを食べ、同じ武器で傷つき、
 同じ病気にかかり、治療法も同じだ。
冬や夏は暑さや寒さを感じる。
刺せば血が流れるし、くすぐったら笑う。
毒を飲めば死ぬのだ。復讐だってする。
・髭がないと大変だ、探さないと


エルンスト・ルビッチ監督作品。
古典であり、現代のコメディに通じるもの。
女子トイレに隠れてた男性の弁明。「生きて帰れなかったら二人を許そう」
し

しの感想・評価

3.5
反ナチ映画は沢山あるけど、ヒトラー存命時に制作された作品は凄いよ…チャップリンの『独裁者』然り…
kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.5
🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-482 再鑑賞
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 452/1001

🖋本作、めちゃくちゃ面白い作品です!!洗練された風刺の効いたユーモア、コメディに大笑いし、辛辣で大胆な反ナチスプロパガンダ作品というその背景に驚嘆させれます。題名になってるように“ナチス”と“シェークスピア”が巧みに絡んでいくストーリーはほんと圧巻です。

🖋 第二次世界大戦直前、ドイツの侵攻が始まったワルシャワを舞台に、シェイクスピアの「ハムレット」を上演していた劇団が諜報戦に巻き込まれる中、ナチスを相手に大芝居を仕掛け大奮闘する姿をスピーディーな展開と洗練された洒落の効いた台詞、遊び心たっぷりの演出とが見事に相まった作品です。ドイツ出身のルビッチが晩年に監督した作品で、いわゆる独特のスタイル「ルビッチ・タッチ」と呼ばれる作品の中でも一番の名作だと思います。

🖋また主演の本作が遺作となった主演のキャロル・ロンバートの、愛すべきキャラクターがとても素敵です。彼女が演じたマリアとソピンスキー中尉の密会の合図が、「ハムレット」の有名な台詞で「To Be or Not to Be」という、この洒落が効いたフレーズがタイトルになってるんですね。

🖋なにしろ本作、アメリカの参戦と時を同じくして撮影されたのですから、ヒトラーが勢いつけていた時代に製作されたということに驚きです。当時のハリウッドで作られたプロパガンダ映画として最も大胆で辛辣な作品となったんですね。後にメル・ブルックス監督が「メル・ブルックスの大脱走」としてリメイクしたことでも有名です。

🤣物語は。。。(参考:Amazon より)
第二次世界大戦直前のワルシャワ。「ハムレット」上演中の劇団トゥルー一座の看板女優マリアは、ポーランド空軍のソピンスキー中尉との密会を楽しんでいた。やがてワルシャワはドイツ軍に占領されるが、ポーランド人たちは地下組織で、ナチの暴虐への抵抗を続けていた。ある日ソビンスキー中尉は、シレツキー教授がナチのスパイであることを知る。トゥルー一座はナチの扮装でシレツキー教授を迎え、ヒトラーのポーランド訪問を利用して、ポーランドからの脱出を企てる。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『生きるべきか死ぬべきか』
原題(英題):『To Be or Not to Be』
🎥製作国 :アメリカ
🎥初公開 :1942
日本公開 :1989/06/28
🎥上映時間 :99分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):エルンスト・ルビッチ
脚本 :エドウィン・ジャスタス・メイヤー、レンジェル・メニヘールト
原作 :※※※
撮影 :ルドルフ・マテ
音楽 :ウェルナー・ハイマン
出演(声優):キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー

🔸Overview (映画. comより)———————
ナチス占領下のワルシャワから脱出する俳優一座の姿を描くコメディ映画。製作はアレクサンダー・コルダ、監督はエルンスト・ルビッチ、脚本はエドウィン・ジャスタス・メイヤー、撮影はルドルフ・マテ、音楽はウェルナー・ハイマンが担当。出演はキャロル・ロンバート、ジャック・ベニーほか。
チャップリンの「独裁者」、「ジョジョ・ラビット」と並び、新三大ナチス風刺コメディ(?)に認定したい。
第二次世界大戦中にこんなの作ったことに拍手。
脚本もギャグもよく練られてて、役者の表情ひとつ取っても笑えちゃう。
いやお見事。
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