みてべいびー

生きるべきか死ぬべきかのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

“To me, he’s just a man with a little mustache.”
“But so is Hitler!!”
ずーっと観たかったの!!観れて嬉しい!!1時間40分でよくまとまったなぁってくらい濃い内容なのに、体感時間はあっという間だった。最後の方は駆け足だし、みんな走ってるし、コメディーってスピード感命なんだね本当。Inglorious Bustardsって結構この映画からヒント得てるんじゃないかな。
好きな場面は”Heil myself!!”ってとこと、エアハルト大佐のリビングに入ったら死んだシレツキー教授が座ってるところ。そしてあのオチも最高ですね。全部本当によくできてるんだよなぁ、最初舞台のセリフだったのを実際のゲシュタポがそのまま言ってたりとか、ナチの薄っぺらさ、バカバカしさを絶妙な笑いにして皮肉ってるのが知的で好き。
「街角桃色の店」でもTolstoyのAnna Kareninaが目印になるし、今作でも登場するからルビッチはこの本が好きなのかな?同じ頃の作品だから何か意味があるのかもしれない。また何回か観るうちに色んな発見がありそうで楽しみ。
でもやっぱりこの作品は紅一点のCarole Rombardなくしては成り立たないんだよね。彼女がこの映画の封切りを待たずして、そもそも33歳の若さで亡くなってしまったことが悔やまれすぎる。美しいとか演技が上手いとかってことは言うまでもなく、彼女の圧倒的存在感はスクリーン越しにも一目瞭然だし、知性を感じさせる洗練された雰囲気にも心酔してしまう。出演作こそ少ないけど、彼女はハリウッド黄金期の女優の中でも類稀な人だっただろうな。
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