とうがらし

生きるべきか死ぬべきかのとうがらしのレビュー・感想・評価

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)
3.7
戦争になろうとも、演劇は死なず。

演劇人がナチスに真っ向勝負を挑んで笑わせるサスペンスコメディ。
公開されたのは、第二次世界大戦中の中間に位置する1942年。
ヒトラーがアメリカに宣戦布告した翌年に、アメリカがヒトラーを素材に用いてエンタメにしたところがすごい。

ドイツのアメリカへの宣戦布告のきっかけは、日本軍による真珠湾攻撃なので複雑な気分。
日本が宣戦布告前にだまし討ちした件は映画の中でも触れられている。
ナチス側の無能な上官のおかげで、若干ご都合主義なところがあるが面白い。
戦前のエンタメ映画としては一級品。

原作はエルンスト・ルビッチ監督のために友人の戯曲家が書いたもの。
いつもの小粋なルビッチタッチに、有名な戯曲を絡め、演劇人の役者魂を活かした裏の裏をかく脚本がさく裂している。
エルンスト・ルビッチ監督は、ビリー・ワイルダー監督の師匠でもある。
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