西東京

津軽じょんがら節の西東京のレビュー・感想・評価

津軽じょんがら節(1973年製作の映画)
4.5
閉塞的で割とおしまいな人間模様だけど、厭世観は感じずたまにチラ見えする優しさが人間を見捨てきれない斎藤耕一の良さか。盲目の少女のピュアさが人らしくいることを繋ぎ止める。ラストは予想通りだけど、新しい故郷の海と一緒になれてよかったね。
ほとんどの場面でごうごうと鳴る波の音がこの土地の刻印を強く押す。津軽三味線が鳴るところは波の音が聞こえないけど、最後は波と音と三味線の音が一体化して呑み込まれそうな勢い。
自然は本来人間とは分かれてるはずなんだけど、この映画の海の音はどうしても「人間」とか「生命」を感じさせて不思議だった。
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