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津軽じょんがら節のパンのレビュー・感想・評価

津軽じょんがら節(1973年製作の映画)
4.4
大変失礼なことを言うがどうしても主演女優を好きになれなかった。
別に江波杏子さんに罪はないと思う。

なんだろうな…どこかヤクザの女っていう派手な設定が合ってないような気がした。なんか嘘っぽいキャスティング。
男主人公の織田あきらは好きだったしストーリーも好みだが。
全盲の少女、ユキも別のキャストが良かったかなと思う。

個人的に良い映画なんだけど完璧に好きになれない…という作品は大体キャスティングの問題だったりする。
逆に映画自体はダメでもキャスティング上手くて妙にハマってたら不思議とそれだけで好きになったりすることもある。

この津軽じょんがら節はATGらしい切ないストーリーと人間ドラマが瑞々しく描かれている。
津軽三味線の演奏や映像もお見事で芸術性が高い映画。

ATG作品としては珍しく田舎=クソって感じじゃなくてむしろヤクザ者の男が田舎のコミュニティにハマっていくという珍しい流れになっている。
これだけでも結構楽しいお話だ。

青森や津軽三味線がテーマの映画は近年邦画だと"いとみち"という作品があるのだがこちらも大傑作だ。
是非両方観て欲しい。
まあATGファンの自分としては津軽じょんがら節を推したいところだがいとみちもコミュ障な女子高生の青春が描かれてて滅茶苦茶面白いし甲乙つけがたい。
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