ヘラルドスクエア

津軽じょんがら節のヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

津軽じょんがら節(1973年製作の映画)
3.7
津軽の恐いほどの荒波が強烈な印象を残します。
70年代の津軽の寒村はこんなに過酷だったのでしょうか。高度成長に取り残された日本の土着的な原風景がここに映し出されています。
最後のチャンスを賭けて津軽に定住を決め込む男女に未来はあるのか。
江波杏子さんがとても良かったです。
『女賭博師』シリーズでイメージを確立した江波さんの堅気とは言えないたたずまいはぴたりとハマりました。

斉藤耕一監督は寡作のせいもあり、もはや伝説化していますが、元は今村昌平監督などのスチールカメラマンを担当していたそうで、その影響なのか、民俗的な指向や土着性を一枚の絵画のように画面に定着させることに成功しています。