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ターミナルのYYamadaのレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
3.8
【監督スティーブン・スピルバーグ】
 第22回監督作品
◆ジャンル:  
 コメディ、ヒューマンドラマ

〈見処〉
①究極のワン・シチュエーション・
 ムービー
・『ターミナル』(The Terminal)は、2004年に公開に公開されたスティーヴン・スピルバーグ第22回監督作品。スピルバーグ劇場公開作として『プライベート・ライアン』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』に続くトム・ハンクス出演3作目にあたる。
・舞台は2004年1月、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港。軍事クーデターにより、東ヨーロッパの小国クラコウジア政府が消滅したため、クラコウジア人のビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は入国ビザは取り消され、行き場を失う。
・監視の目もそれほど厳しく「不法入国」は容易な状況にありながら、真面目なビクターは待つことを選び、空港で生活するようになる。
・空港内に住み、書物から英語を学び、空港内の内装業で働く。初めはビクターを懐疑的にみていた多くの空港職員たちは、次第に彼の実直な性格に触れるにつれ、好意的になってくる。
・果たして、彼は空港内から脱出して、ニューヨークに来た彼の目的を達することが出来るのか??
・本作は上映時間129分の長尺作品ながら、舞台は終盤を除き、空港ターミナル内のみ。究極のワン・スチュエーション作品といえる。

②フィクションながら…
・本作はフィクションの物語であるが、主人公のモデルは、1988年から、18年間も
パリのシャルル・ド・ゴール空港で1生活したイラン人アルフレッド・マーハンと言われている。
・アルフレッド・マーハンはイランで生まれ、英国でデモ活動に参加した理由にイランから国外退去され、再び英国に戻るも、入国出来なかったため、ヨーロッパの空港を転々とし、最終的にシャルル・ド・ゴール空港にたどり着いている。
・この映画の製作者は、このマーハンが書き続けた日記「The Terminal Man」の映画化権を30万ドルで買い、本作はインスピレーションを受けている。
・なお、本作の主人公ビクターの故郷クラコウジアは架空の国。トム・ハンクスによるクラコウジア語は全て彼のアドリブだそうだ。

③結び…本作の見処は?
○: 典型的なトム・ハンクスの演じる善人キャラクター、ビクターによる心暖まる作品
○: とくに空港職員との交流は心地よく、どのようにビクターに好意を持っていくかは見物である。
○: 舞台の空港ターミナル施設内は全てセット。ターミナル内の売店や搭乗客は全てエキストラであり、その規模は見逃せない。
○: 冒頭12分30秒、空港有料ラウンジから入室拒否されたトム・ハンクスの台詞が、日本語にて「そりゃ納得いかんのう」と聞こえる伝説の「空耳」は必見。
▲: ストーリーにドラマ性は低く、退屈に感じる鑑賞者もいるのでは?
▲: 終盤のキャサリン・ゼタ=ジョーンズと、インド人の清掃員グプタの選択には、唐突感あり。
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