掛谷拓也

ターミナルの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
3.3
主人公のビクターの行動を解釈するのに困って最初はストーリーに入り込めなかった。英語が話せない外国人だというだけでなく行動に合理性が感じられず、認知や判断に問題のある人物なのかと思った。ファンタジーなのだなと思えば理解できた。祖国を離陸後にクーデターが起こり、国がなくなってしまったためにパスポートも無効になりアメリカに入国できず、ずっと空港で暮らすという設定が面白い。キャサリン・ゼタ・ジョーンズとのほのかなロマンス、インド系清掃夫グプタ、イタリア系食事係、アフリカ系入国管理官ドロシーその他スタッフとの交流、父親との約束のためにニューヨークのラマダ・インに行くとか、祖国に連絡する人もいないのかなど考え過ぎても仕方がない。空港管理人の官僚的対応とビクターの優しさが対比され優しさが勝つという話だがまあファンタジーである。実話に基づくという話だが、何年のどの国の崩壊がモデルなんだろう。追記:イラン国籍の男性が書類を掏られたためシャルルドゴール空港に17年間暮らしたという実際の事件が元になっているそうだ。