フッカー

きっと ここが帰る場所のフッカーのネタバレレビュー・内容・結末

きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「何かがおかしい........ これ とは言えないんだけど。」

何とも独特な味を持ったロードムービー。
生気の抜けた顔で全身悲壮感を漂わせる男シャイアン。
かつてはロックスターとして人気を誇ったが今となっては落ちぶれて、半ば世捨て人のように世間から離れて暮らす。

この彼には何かが起きたんだなということが全身で伝わってきて何とも。
そして30年絶縁していた父が危篤と聞き旅に出る。
この旅の描かれ方が非常に不思議。

元々消え入るような声で喋るシャイアンは寡黙なこともあり、何を考えているか分かりづらい。台詞も少なく情景が主に流れていく。

彼が家に帰らないのは何故か。
一部汲み取り切れないシーンはあったものの、台詞が意味を暗示し中々頭に残る。

「あなたはタバコを吸わない。
それはあなたが子供だからよ。」

彼が抱えていた痛みはあるものの自分自身長く子供でいすぎたと気づくシャイアン。

そうして行ったあの雪の中での所業。
彼の旅の終わり。

きっと彼の中で父とのわだかまりの解消されたこそのあの行動なんだなと。
彼がある意味子供であった自分を超えて成長したこと。気づいた父の思い。
自分自身の思い込み。

だからあのタバコなのだな~と。
ほのぼのロードムービーや、明るいロードムービーとは真逆の、エネルギーの少ないロードムービー!
でしたが、人と人との微妙な距離感が織り成す味わい深い作品でした♪