YAZ

旅路の果てのYAZのレビュー・感想・評価

旅路の果て(1939年製作の映画)
3.9
ジュリアン・デュヴィヴィエ観る

元舞台役者ばかりの老人ホーム
舞台にした三人の男の物語

女遊びも盛んでそれなりに人気も
あったようなクレール。
自己主張激しく人間味溢れるが
役者としては代役専門だったカブ
リサード
実直過ぎる人柄で物静かなマルニイは妻
をクレールに寝取られた過去を

細々と現役続けてるクレールが休暇の間
だけだとホームに入居してくるとこから
の三者三様個性的でプライドだけは失わ
ない老人達

クレール演じるルイ・ジューヴェは50
歳ぐらいみたいですけどかなりな老け役。
やや強面な風貌が老いてもエネルギー
失わない傲慢な舞台役者の空気醸し出す

カブリザード演じるミシェル・シモンは
彼特有の癖の塊で施設の管理者にすれば
扱い難いし仲間からは付き合い難い一方
子供には優しい面もあり

マルニイは役者とは思えない常識人
妻寝取られさらなる悲劇でクレールには
恨みあれど直接は何も言えず

老いた舞台俳優の末路で一人を除いては
残酷な結末ですが一人は自業自得で一人
は可哀そうだが自己を知らず故の悲劇。
役者に非ずのような真っ当さが最後には
勝利するとも見えるのは考えてしまうけ
ど、そういう真っ当さがデュヴィヴィエ
らしいのかも

当時の事情知る由もないですけど演劇
そのものが若い層からは古臭い扱い受け
てる風な所も見せてる

ジューヴェとシモンは御馴染みな安定株
ですけどヴィクトル・フランサン初めて
見たけど如何にもで良かった
名優たちの演技を楽しむ映画かと

8/220
YAZ

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