消費者

死霊の罠の消費者のレビュー・感想・評価

死霊の罠(1988年製作の映画)
3.8
・あらすじ
「レイトレイトナイト」という深夜のテレビ番組でレポーターをしている女性、土屋名美
番組は一般視聴者からビデオを公募し紹介していくという内容である
そんな名美の元にある日、1本の公募ビデオが届く
そこに収められていたのは拘束された女性が拷問の末に眼球を切り裂かれる映像だった
名美は被害女性が自分に瓜二つである事に気付き、プロデューサーに番組で扱おうと掛け合うがあしらわれてしまう
その為、仕方なく制作チームの面々を率いて独自に取材へと向かう事に
そしてビデオの送り元の住所へと向かう一同
そこにあったのは何かの基地だったと思われる封鎖された大きな廃墟群だった
3組に分かれてそれぞれ調査を進めていくクルー
唯一単独で行動していた名美は人探しをしているという謎の男と出会う
やがて廃墟を歩き回っていた一行は1人、また1人と何者かに殺害されていき…
というホラー作品

・感想
世界中で一部のコアなホラー映画ファン達の支持を受けているという本作
その評判通り情け容赦なく繰り広げられていく殺人のゴア描写や予想だにしなかった犯人の正体がなかなかに面白かった
張り巡らされた罠で命を落としていく様子は「ワナオトコ」シリーズに近い物があり、この時代に既にこんな作品が日本で製作されていたのが驚き
特に雅子が名美の踏んだ罠によって刃物で頭をかち割られてしまう場面が最高

たまに挟まれる濡れ場や役者陣の芝居、サスペンス風の劇伴などは昭和感に溢れつつも映像や展開が良いのでそこまで気にならずなかなかの見応え
現代の感覚だとB級ホラー的に見える部分はありつつも相次ぐ血生臭い殺人のバリエーションが豊かなのも楽しい

超能力を持つと思われるクリーチャー、ヒデキのビジュアルもそれなりにちゃんと気持ち悪く最後には名美が巣食われてしまうというオチも「エイリアン」や「スピーシーズ」的な良さがある
正体に関しても「バスケットケース」っぽさが感じられて悪くない設定だった

問題はタイトル
本作で人を殺め続けてきたのはヒデキと彼と体の繋がっていた兄なので“死霊”の要素はゼロ
ゾンビ物という訳でもない事を考えれば死霊など出て来ない訳で…
海外ホラー作品の邦題に多い枕詞とはいえミスリードなのは否めないんじゃないんかと

それを除けばそこまで粗も無く十分楽しめる作品だった
雅子が拘束される前に白塗りされていたのは良く分かんなかったけど…w
ヒデキの正体が明かされた状態で次作がどうなってるのか今から気になる
消費者

消費者