うさどん

新しき土のうさどんのレビュー・感想・評価

新しき土(1937年製作の映画)
2.1
本日の巣ごもり鑑賞。
早川雪洲、原節子の大和家の日本庭園内に、地元広島の厳島神社がある、家から見える噴煙を上げている浅間山(標高2,568m)の火口に和服姿や靴を履かない靴下で登る、など荒唐無稽さが際立つ。
ドイツに留学して個人の自由に目覚め、ドイツ人の恋人を連れ帰った主人公が、一転日本の古き良き伝統や風習に目覚め、留学前の許嫁に戻っていくなど、果たして正しい日本の姿や精神性を伝えているのかも疑問。
それにも増して、1936年の日独防共協定締結、同年の満洲帝国への大量家族移住開始など、ナチスドイツとの親交、満州国権益への執着をあからさまに表現した、まさに国策映画、プロパガンダ映画。
原節子の美しさが唯一の救い。