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ラ・ピラートのakrutmのレビュー・感想・評価

ラ・ピラート(1984年製作の映画)
3.2
夫のいる女性が以前に愛し合った女性と再会したことで陥る三角関係を描いた、ジャック・ドワイヨン監督の恋愛映画。当時ジャック・ドワイヨン監督とパートナーであったジェーン・バーキンが主人公の女性を演じていて、体当たりの演技を披露している。相手役を演じたマルーシュカ・デートメルスも魅力的。両者がフルヌードで愛し合うシーンを見ると、彼女が20代前半だとは全然思わなかったが、それはジェーン・バーキンが年齢に対して若々しすぎるということかもしれない。

ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグと呼ばれた世代だからなのかは知らないが、ゴダールを意識して作ったけど、ゴダール作品のような出来には到達せず、「失敗したヌーヴェル・ヴァーグ」になってしまったという作品である。まずは、言葉でがなり立てたるばかりの直接的な感情表現は退屈。ジェーン・バーキンの金切り声が耳障りになってくる。映画なんだから、見せ方が色々とあるだろうに、その点に目新しいところがないので、ただの訳わからん映画に堕してしまっている。ジェーン・バーキンの夫役を、実の兄であるアンドリュー・バーキンが演じているのも、気持ち悪い。二人が関わる性的なシーンがあるだけに、趣味が悪いとしか言いようがない。さらに、子供(少女)をこういう役柄で使うのも好きになれない。ゴダールは子供を使わない。けっこう期待していただけに、残念。
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