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ラ・ピラートのwinonaのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ピラート(1984年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

バイセクシャルのジェーン・バーキンを、旦那のアンドリュー・バーキンと元恋人のマルーシュカ・デートメルスで取り合う。

魅惑的で衝動に突き動かされるが不自由で不安定な愛と、愛されるが故に愛すが魅力の無い安定した愛との間に挟まれウンザリするジェーン。主役と過去の恋人の女と現在の夫の三人、そこに過去の恋人の女の心が読める存在でありジェーンを同地点から追いかけるが距離感が異なる子供と、子供にゲームを持ち掛ける旦那の友人の男も参入し、三人を突いて人を愛するという事について深掘りする。

謂わば衝動的な恋愛に疲れて安定した男と結婚してマンネリ化した所に、フラッと居なくなるけど不可抗力で惹かれてしまうかつての恋人が現れて、二人して好き勝手言ってどちらかを選べだの私を責めてくるけどアンタ達何なんだよという怒りと、どちらも捨てられない保守的な自分に対する怒り、そして自分さえ消えれば…という葛藤のように見えたけど、もしも主人公が男二人の間で揺れ動くストーリーを想像したら愛の本質まで掘り下げるにはチープな気がしたので男女で良かったと思う。

マルーシュカ・デートメルスは先日観た「カルメンという名の女」('83)でも脱ぎっぷりの良い自我の強い女の役所だったが、その矛先が男であろうが女であろうがサッパリしていて観ていて気持ちの良い女優さんだと思った。

自分にはこの作品はストーリーのトリミング範囲がズレているように思えて、物語としての面白味が欠けているのと、飽くまで演技の域を超えてないように見えたのが残念だった。
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