シンタロー

僕は戦争花嫁のシンタローのレビュー・感想・評価

僕は戦争花嫁(1949年製作の映画)
3.7
第二次世界大戦後。ドイツのアメリカ占領区。仏軍アンリ・ロシャール大尉は、ハイデルベルクの米軍司令部へ新しい任務のために来た。そこで以前に組んだことのあるキャサリン・ゲイツ中尉と再び組まされる。前の任務は大成功したものの、道中様々なトラブルに見舞われ、2人は喧嘩ばかりする仲だった。任務先ナウハイムへ向かうための軍用車は出払っていて、あるのはサイドカー付バイクだけ。免許のないアンリは、運転をキャサリンに任せ、仕方なく小さなサイドカーに乗ることに。その後の道中も、思わぬトラブルの連続が…。
「赤ちゃん教育」「コンドル」「ヒズ・ガール・フライデー」をヒットさせた名コンビ、ハワード・ホークス&ケイリー・グラントが9年ぶりに組んだ作品で、年間興行成績5位となった大ヒットコメディ。ホークスは、ヒッチコックと共に"最も愛した最高の男"と、グラントを溺愛していたそうです。ハンサムでスタイル抜群なグラントが宙づりにされるところに始まり、狭い場所に何度も虐げられ、挙げ句女装までさせられるという…とにかくいじめまくっちゃってます。ここまでやれると、2人の信頼関係伝わってきます。戦後の荒廃したドイツを舞台にしたスクリューボール・コメディで、衝突を繰り返す2人が惹かれ合っていくラブコメに、ジェンダーやセクシャリティネタを織り混ぜた内容。実在のベルギー人将校の実話に基づいた脚本とのことで、戦時下の国際結婚の困難に、戦争花嫁という日本では馴染みのない設定を加えたのがユニークです。"性別が逆"なために、または"外見が男"なために、壁にぶつかりまくる姿は、現代にも通づる問題提起を感じさせ、それをこの時代に描いたことはコメディとはいえ興味深いです。
主演ケイリー・グラントの、いつも以上に小顔でホッソリした感じは撮影中に肝炎で倒れた影響もあったのでしょうか。身体張って笑いとって、なかなか大変そうですが、個人的にこの方はコメディが1番シックリくると思います。軍服姿は画になるし、流石の男前ぶりですが、女装姿はヒドすぎて大笑い。あと、どう見てもフランス人には見えませんでした。ヒロインはアン・シェリダン。自分は本作でしか観たことがないのですが、コメディセンスがあって、グラントとの相性もいい感じ。美人ではありませんが好きなタイプの女優さんです。
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