ポルトガルを代表する世界最高齢の現役映画監督マノエル・ド・オリヴェイラが逝去してから今日で早2年。
本作は99歳のオリヴェイラが"コロンブス・ポルトガル出身説"を主軸にして製作した歴史ロマンであり、
戦後アメリカに渡ったポルトガル移民マノエル・ルチアーノの半生を通してその真相に迫ってゆく歴史ロードムービーでもあります。
コロンブスがアメリカ新大陸に到達してから600年以上。
一方で戦後間もない1946年にポルトガルから大西洋を渡り、アメリカに移住した主人公マノエルは妻と共にコロンブスの出生とその軌跡を追い求めることに。
半世紀に渡って夫婦が巡るコロンブス縁のスポットを擬似観光しつつ、ポルトガルが歩んできた歴史を紐解きながらコロンブスの旅を追体験していきます。
次々映し出される確信に満ちた美しいショットは、まさにポルトガルへの郷愁を感じさせるよう。
そしてポルトガルの国旗を象徴とする緑と赤の衣装に身をまとい、優しい眼差しを彼に注ぐポルトガル王国の守護天使ミカエル。
その眼差しの先にはまるで飽くなき探究心を象徴するかのように、時空を越えて二人を繋ぐかのように、どこまでも続く青い大西洋が広がっているのです。
