ポルトガルを代表する世界最高齢の現役映画監督マノエル・ド・オリヴェイラが逝去してから今日で早2年。

本作は99歳のオリヴェイラが"コロンブス・ポルトガル出身説"を主軸にして製作した歴史ロマンであり、
戦後アメリカに渡ったポルトガル移民マノエル・ルチアーノの半生を通してその真相に迫ってゆく歴史ロードムービーでもあります。

コロンブスがアメリカ新大陸に到達してから600年以上。
一方で戦後間もない1946年にポルトガルから大西洋を渡り、アメリカに移住した主人公マノエルは妻と共にコロンブスの出生とその軌跡を追い求めることに。
半世紀に渡って夫婦が巡るコロンブス縁のスポットを擬似観光しつつ、ポルトガルが歩んできた歴史を紐解きながらコロンブスの旅を追体験していきます。

次々映し出される確信に満ちた美しいショットは、まさにポルトガルへの郷愁を感じさせるよう。

そしてポルトガルの国旗を象徴とする緑と赤の衣装に身をまとい、優しい眼差しを彼に注ぐポルトガル王国の守護天使ミカエル。
その眼差しの先にはまるで飽くなき探究心を象徴するかのように、時空を越えて二人を繋ぐかのように、どこまでも続く青い大西洋が広がっているのです。

アメリカ大陸を発見したコロンブスだけでなく、インドへ渡ったバスコダガマ、世界一周をしたマゼランなどの名前が登場する。
それは懐かしい社会科の教科書を思い出させるが、そう小難しく考えることはない。

オリヴェイラ監督ご夫妻が自ら案内してくださる“世界ふれあい街歩き ©︎NHK”にただついて歩けばよい^^

先述した偉人たちは大洋の荒波を乗り越えて、新しい大陸を発見した。未開の地に、誰よりも先に降り立ちたい！という飽くなき探究心が、彼らの歩みを進めたのだと想像する。

それと何一つ変わらぬ海と空が、今も私たちの目の前にあるんだよ？それって凄いことじゃない？
と、100歳近い年齢のオリヴェイラ監督が問いかけてくる。

今が人生、
さあ冒険に出かけよう。

オリヴィエラ監督99歳の作品。

探検家コロンブスは、実はポルトガル人だったという新説を2006年に発表した歴史研究者マヌエル・ルシアーノ・ダ・シルヴァを描く。

1946年、ポルトガルからNYへ移住し、医者をしていたマヌエル。歴史研究に熱心で、コロンブスの新説を証明しようとしていた。そんな彼が妻との新婚旅行に選んだのはコロンブスの生地と考えられるポルトガルだった。

時が経ち2007年。歳を重ねた二人は50年前と同じようにコロンブスの家が残るポルトガルの島を訪ねるのだった…

起伏のない淡々とした描写でドキュメンタリーのよう。

当時99歳のオリヴィエラ監督がマヌエル役を演じ、妻マリアさんと一緒に出演しています。

退屈な内容でしたが、監督ご夫婦のポルトガルへの郷愁を美しい風景とピアノの調べとともに綴った私的な作品に思え、これはこれでありかなと思いました。