ダイナ

ザ・セルのダイナのレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
4.7
アメリカ製作SFサスペンススリラー映画。傑作。

人間の内面世界に干渉する医療技術が発展している世界観。主人公キャサリンは昏睡状態の少年の意識回復に臨むも成果が出せずに時が過ぎていった。そんな最中、FBIから昏睡状態のシリアルキラーから行方不明となっている女性の在処を聞き出してほしいとの依頼が入る…という話。

一般的なキラーサスペンスものと異なるのは逮捕後がストーリーのメインとなる点です。本作のシリアルキラーの描写や追い詰めていく過程は「羊たちの沈黙」を想起させる雰囲気。そして本作最大の魅力は映し出される内面世界の描写。内面世界の風景は人によって異なり登場するアイテムはパーソナルに由来するものとなります。ファンタジーやホラーの要素を多分に含んだ非現実的な地獄のような世界の冒険と現実世界での実況・調査が並行していくサスペンス展開がとても面白く、度重なるグロテスクな描写、「ダミアン・ハースト」的強烈な映像、如何にしてシリアルキラーの人格が形成されていったのかの表現、命の危機せまる行方不明者のリミットやとある緊急事態等、スリリングな展開は衝撃的な映画体験でした。心に抱えた病にどう接するかが終始描かれている本作、斬新さと独創的な角度からシリアルキラーを映し出した傑作です。
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