このレビューはネタバレを含みます
映像美がすごいという噂を知ってただけに、ハードルが上がりすぎて意外と期待外れ。
確かに精神世界の独特の世界観は見応えはあったものの、それが何を意味しているのかイマイチ伝わらず、父親に虐待されていたこと・水と鳥?にトラウマがあること、くらいしか犯人の抱えている問題がわからない。
せっかく心の中に入り込んだのに、犯人の異常な犯行と動機についてはほぼ触れずに進んでいくため、サスペンス映画の合間に抽象的な映像が挟まっている、という感じで全体で見るとぶつ切りに感じる。
さらに精神世界に入り込む理由である"監禁されている被害者女性の居場所を聞き出す"という目的については、助っ人で入った捜査官があっさり発見。そのレベルの情報で探し出せるなら、犯人の家の地下室を捜査だけで充分だったんじゃないか、、??という拍子抜け加減。
肝心の映像美についても、20年前に見ていたら物凄いセンスで衝撃的だったのだろうが、いま見ると一昔前のロックバンドや海外アーティストの過激なMVのようなチープなものに見えてしまった。全体的にオリエンタルというか、東洋な雰囲気なのはなにか意味があるのだろうか?
あとラストの方で、主人公と少年時代の犯人の対話中にデコレーションみたいな金縁のフレームが付くのはほんとになんだったの!?