Ritz

ザ・セルのRitzのレビュー・感想・評価

ザ・セル(2000年製作の映画)
3.4
【細胞の夢】

人の意識に入り込み、その心を見ることができたなら…
ジェニファー・ロペスの独壇場、予測不能なサスペンスサイコスリラー。被験者の精神に意図的に侵入する装置を使って連続誘拐犯の心にジェニロペが潜入捜査!ミッションは監禁された女の居場所を突き止めること。無事精神に潜入したかに思えたのもつかの間、彼女はそこでとんでもない光景を目の当たりにする…

想像の範疇を遥かに超えた精神描写、奇譚というのが正しいか、まさに奇妙奇天烈で摩訶不思議、サイコキラーは常識のベールなどはなから被ってはいない。心に潜り込み【捜査】を続けるうちに明らかになってゆく男の過去、そしてついに手がかりを突き止めた瞬間、狂気は新たな幕を開ける。
心の中という見えないものをどのように映像で表現するか、あらゆる比喩表現を映像に置換しサイケデリックにエフェクトをかける。好みの分かれそうな画作りだが個人的には大好物。破綻してゆく人格に迫りくるタイムリミット、心は交錯し、目的は融解する。他人の心を共有することはできなくともそこに寄り添うことはできる。現実と精神世界のパララックスを見事に描ききった映像表現は一見の価値あり。
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