自分の死が近いとわかっているから何かを遺すのか、はたまた自分の死が近いと認めたくないから何かを遺すのか、。
この映画を初めて見たのは小学生の頃。
初めて人の死を目の当たりにした気がした。
そして、私は彼のようになりたいと強く願ったことを今でも覚えている。様々な場所で出会った人々と様々な場所で見た風景に憧れを抱く。
彼の一部の人生が私の視野を広げてくれた。
そんなことを思い出しながら、今日久しぶりにこの映画をみた。
大嫌いな蛆虫や蝿すらも美しく見えるその世界観に度肝を抜いた。DVDでみたから画質はあらいはずなのに鮮明にとても美しく見えた。
彼の親への反抗心ともとれるその行動は何かから逃げる為でもあるようにもみえたし、自分自身と向き合う為のようにもみえた。
ただ何かから逃れるためだとしても自分自身のためたとしても彼はまだ何かを見つける或いは見つめる途中だったのだと思うと胸が痛い。
彼は何を思って亡くなったのかそれをこの映画では一言も言わない。それがとても切なく感じた。でもその切なさすらも心地よいもので美しい。
