1人で旅を続けることで訪れる出会いと別れ、そして再会。孤独と向き合うことで人と幸せを分かち合うことの喜びを感じ取る。ただ本作は冒険記やロードムービーという言葉に落とし込めてはいけないほど哲学的だ。
若者は希死念慮や生への葛藤が膨らむ。主人公は自分が始めた旅にどのようなピリオドを打とうと考えていたのだろうか。
歳を重ねると、若者が都合よく逃避をしているかのように思われるのは仕方ないのかもしれない。自分という個が居なくなることで悲しむ人がいるなら悲しませてはいけないのも納得する。
ただ少なくとも現状の僕からすると英雄視してしまう。それが本当にダメなことだと分かっていても。