【ゾッとするほど寂しくて狂おしいほど美しいもの】
自由とは何か、真理とは何か?
満たされた日々を捨て自然に飛び込んでいった青年が辿り着いた真理、幸せ、そして自由のカタチ
荒野に魅せられ荒野に倒れる儚さ
それなりの富を親から得ながらも、親、大学、社会に対して疑問を持ちイントゥザワイルドを夢見てい?友人から勧められたため、彼の視点になってこの映画を見てみました。
きっと誰しもこのような感情になることはあると思います。しかし、この行動力は真似できるものではないのではないでしょうか?
我々視聴者はクリスの旅を共に追いながら、半分その生き様に憧れながらも、クリスの自由さにどこか不快感を感じ、甘いだとか無謀だとかいう批判の言葉を投げつけてしまうのです。
たしかにクリスは無計画で無謀で甘いです。ですがそもそも完璧で計画的である必要などないはずです。
その未熟さ、そして見ていられない青臭さ、それも含めて1人の思い切った青年の自然への挑戦なのです。
死を恐れぬその勇敢さは本当に真似できないものです。ある意味人間社会から自然へと出て行くのは生の世界から死の世界へ歩んでいくようなものですからね。
ただ、死の表情をここまでリアルに映し出した映画はあまり見たことがなかったので少しビックリしましたが、息を飲むほど胸にくるシーンでもありました。
どこか破滅的な、アメリカンニューシネマを思わせる美しい映画でした。
2019.6/29