福福吉吉

タイガーランドの福福吉吉のレビュー・感想・評価

タイガーランド(2000年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
ベトナム戦争中のアメリカの新兵訓練基地でローランド・ボズ二等兵は戦争に否定的で上官の命令に逆らってばかりだった。ボズは新兵たちの除隊を手助けしたり、部隊内の新兵と対立したりしながら訓練を受けていた。そして、最終訓練である仮想ベトナムの戦場「タイガーランド」にボズを含む新兵は挑むのであった。

◆感想◆
ベトナム戦争時の新兵たちが訓練に励む姿とその中で揺れ動く人間関係を描いた作品となっており、ローランド・ボズ(コリン・ファレル)という特異な存在と、それに対する新兵たちの反応が見どころとなっています。

新兵のパクストン(マシュー・デイヴィス)がボズと出会うところから始まり、パクストンとボズの関係を中心にストーリーは進んでいきます。ストーリーのテンポは悪くないですが、本作のほとんどが上官と新兵、新兵同士の人間関係を中心に描いており、陰湿な部分が多いため、観ていて盛り上がりに欠けるように感じました。

ボズは上官たちの無駄な体罰や無益な行動に対して正面だって反対します。上官としてはかなり嫌な部下だと思いますが、ボズは罰を与えても懲りずに続けており、ボズの考えは常にぶれていないため、観ていて信頼できるキャラクターとなっていました。

ボズに対して敵対心を持つウィルソン(シェー・ウィガム)は何かとボズに突っかかっていき、終盤には狂気をはらんだものになっていきます。ウィルソンの心情としてボズの考えは戦場に相応しくないという思いがあったのかもしれませんが、ウィルソンとキャラクターはボズと正反対の人物としてベトナム戦争当時の兵士の典型だったように思います。

最後まで興味深く観ることができました。しかし、今ひとつ気持ちが盛り上がることなく終わった感じがします。

鑑賞日:2023年12月23日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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