やっちくん

ウォーリーのやっちくんのレビュー・感想・評価

ウォーリー(2008年製作の映画)
4.3
明るいテイストで誰でも見れるように仕立てあげた本格SF‼️

いや~極上のSFでした。ちょうどこの頃って地球温暖化とか騒がれ始めた時期ですよね~

この作品自体はクソ人を選びます。冒頭20分はセリフ無しという強気な姿勢、一応メインはロボット同士の恋と冒険活劇を描いてはいますがそれ自体が滅茶苦茶面白い訳では無いので、SF好きでないと楽しめないと思います。

何がいいってまず重厚な世界観。地球が住める環境に無くなってから700年、人間は地球を捨てスペースコロニーで生活をしていた。そして衝撃なのが、機械・文明の発達により人間が何もする必要が無くなった結果、ただ楽に快楽を貪るだけの肥えた生物に成り下がってしまっている。
生物の進化において必要の無くなった部位や機能は無くなるし、必要が無い事は出来なくなるがこれは果たして進化と言えるのだろうかという大きな問いかけです。
全てを機械に任せるようになった結果まるで機械に支配されているかのような構造になっているし、機械の方が人間らしい感情を持つ始末。
しかしそんな人類にも希望がいました、そうこの映画で主役のウォーリーよりも描きたかったのであろう艦長です。
人間らしい機能を捨てて怠惰に生きていた彼ですが、現代の我々の環境や文化や営み、全てに素晴らしさを覚えて、「現代の人間らしさ」を取り戻します。
彼を通して人間が歴史を経て発展してきた事の素晴らしさ、そして映画全体を通して環境破壊や物質主義へのアンチテーゼという相反するふたつのテーマを見事に描いています。素晴らしい。

歴代艦長の写真だったり、考えさせられる小ネタ的な描写も多数あり中盤からは見所満載。先の見えない序盤が少し退屈かも。

ディズニーでこんな作品をやったというのが凄い事だけど大衆受けする訳もなくあんまり好きな人いないね。2008年にしてはCGこんなもんって引きの画とかで感じてしまいましたね、あとSF的好奇心をとんでもなくくすぐられる作品ではあるけどロボが主役だからやっぱり話自体は単純だしキャラクター性も微妙。
イヴのデザインは凄いいいと思います‼️
やっちくん

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