かんちゃんSr.

かぞくのくにのかんちゃんSr.のレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
4.3
病気治療のため、25年ぶりに一時帰国を許された兄と、日本で暮らす妹の、短い短い日常が淡々と描かれる。
四半世紀ぶりの日本は、何もかもが、眩しかっただろうが、兄は感情の表し方も忘れてしまった風情だ。
妹と一緒に入ったカバン屋で、リモアの旅行トランクを見た時、初めて輝くような笑顔を見せた兄だが、値札を確認し、そのまま店を出る。兄に付き添って来日した監視役の同士が、コーヒーに砂糖を際限なく入れている。そんなシーンに、リアリティがある。
兄への慕情を、如何に表現したらいいかわからない妹のもどかしい感情を、安藤サクラが静かに演じている。
かんちゃんSr.

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