おさるのじょじへい

かぞくのくにのおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

かぞくのくに(2012年製作の映画)
3.9
祖国に帰国しなければよかったと思う(周囲にはそう思われる)ことの苦しさとは、どれだけのものだろう…。あまりにもつらいストーリーで、なかなか言葉が浮かばない。母の想いがヤン同志に響くのではないかと期待した自分は、やはり考えが甘いのだろう。もちろんヤン同志だって、思考停止させているんだよね…。彼だって苦しいんだ。

所々で妙に脚本や演技がクサかったりもしたのだけど、安藤サクラさんと井浦新さんの魂のこもった演じ方で全てが吹っ飛んだ。
おふたりとも本当に大好きな役者さん。『白河夜船』では見事に気持ち悪い関係の不倫カップルだったけど、その後に今作を見ても兄妹にしか見えないんだもの。すごいなぁ。
新さんは大きな賞レースであまり評価されることがないけど、素晴らしい俳優だと思う。でも小さな良作に出演し続けてくれるそんな新さんが、やはり好き。