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恋のマノンのodyssのレビュー・感想・評価

恋のマノン(1967年製作の映画)
2.0
【見直すほどの作品ではない】

原題は"MANON 70"なのですが、この70って何なんでしょうね。1970年のことかなと思ったのですが、製作は1967年だというし。3年先を読んだってことなんですかね。

最初、羽田空港のシーンから始まります。ヒロインが羽田からスカンジナヴィア航空の旅客機でパリへ向かう。67年というと今と違い、日本ではまだ海外旅行は一般的になっていなかった頃ですね。国際線旅客機に乗れるのはひとにぎりのエリートだけ。ここでは、ヒロインは男連れで航空機に乗り込もうとしますが、彼女の美しさに別の男客が目を付け、彼女がファーストクラスのチケットを持っていることに気づき自分もファーストクラスに変更します。

この頃のファーストクラスって、座席の上等さで言うと現在のビジネスクラスくらいですね。もっとも私はファーストクラスはおろか、ビジネスクラスにすら乗ったことはありませんが(笑)。

で、パリ空港に着いて車に乗るところで、彼女は例の男客から誘われて、それまで同行していた男をあっさり捨てて誘った男のほうに乗り換えてしまう。

この出だしからすると、彼女はこのあとも次々と男を乗り換えて・・・・というふうに行くのかなと思ったのですが、そうではなく、この男と途中色々あるものの作品の最後まで付き合います。もっとも、他の男とも情事を持ったりするのですが。

こういう映画だからヒロインであるカトリーヌ・ドヌーヴの魅力がよく出るように作ってあるのかと期待したけれど、ヌードもないし水着姿もビキニではないし、風呂で男といちゃつくシーンも肩しか見せないし、つまりませんね(笑)。他の女優は、例えば男が北欧出張の時に寝た女は下着姿を見せてくれるし、その後海辺のシーンではそれともまた別の女優がビキニ姿をさらしているのに。

筋書きもあんまり練れていない。そもそも、ヒロインは気まぐれで贅沢が好きな女なのに、なぜか男を捨てない。男は途中で失業してしまってカネがないんですけどね。この辺、原作に義理を立てたのか、或いは他の理由からなのか、よく分かりません。

というわけで、ドヌーヴの魅力もさほど出ていないし、筋書きもつまらないし、今改めて見直す必要がある作品だとは思えませんでした。
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