bluetokyo

ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦のbluetokyoのレビュー・感想・評価

3.0
宣伝映画に過ぎないには違いないのだけど、意外と面白い。ストーリーは、そもそもないのだが、ないようでちゃんとあるのである。
脈絡もなしにスパイダースの楽曲が入るのだが、ストーリーの中で、それなりに、意味はあったりするので楽しめる。

簡単にあらすじ。といってもあらすじはない。
チノという美人の女が、テレビで放映されている、大きなプールでの歌謡ショーのコンテストで、恋人の健に呼び掛けるのだ。
自分のところにまっすぐ来てくれたら愛を受け入れる。二人はすでに恋人同士だが、健は奥手なのか、なかなか言い出せないわけだ。
愛を受け入れるというのは、具体的にどんなことなのか、と考えてはいけないのだろう。
で、チノと健は、家が隣同士に近い。部屋の窓をあけるとお互いが見えるくらいなのだ。だから余計切実なのだろう。そんなに近いなら、そのまま、たとえば、健がチノの家に行けばいいと思われるが、反対が多くてできないわけだ。
両家のあいだにある三上教授というのが、なぜか強硬に反対している。

一方、なぜか、横浜にいる、七人組が、このテレビ放送を偶然に見ていて、まっすぐ、彼女のもとに行けば、彼女が手に入るのだと受け取り、こんないい女が手に入るならと、まっすぐ進むことを実行に移す。つまり、彼女にいるのが世田谷なので、横浜から世田谷にまっすぐ行けばいい、と思うわけである。
なぜ、世田谷とわかったのか、ちょっとわからん。

健の方は、友人が助けてくれる。大きな弓矢にロープを結び付けて、チノの家に撃ち込み、ロープを渡して、ロープを伝って行ったり、三上教授がテレビに出ているすきに、行こうとしたりするが、うまくいかない。
そんなことをやっているうちに、七人組は、刑務所やら人質事件の真っただ中だろうが、ずんずんと、チノの家を目指して進んでくるのだった。

健の家では、今度は、両親が手伝い始める。今度は、地下にトンネルを掘って進むわけである。

一方、七人組は、テレビでも中継されるぐらいに有名になっていく。警察も注視する。川、多摩川も渡っていく。

ついに、七人組はチノの家の近くまで来た。健の友人たちは、阻止しようとする。

タッチの差で、健の方が、七人組よりも早く、チノのもとに辿り着いた。

チノと健の二人の気持ちの接近と、七人組がずんずん近付いていくのが、リンクされているわけだ。いろいろな障害を乗り越えていくことも、リンクされている。
そういうことを抜きにしても、ずっとまっすぐ歩いて行ったらどうなるのだろうという空想だけでも楽しい。
bluetokyo

bluetokyo