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東雲楼(しののめろう) 女の乱のyuyuyuのレビュー・感想・評価

3.1
女優陣はとてつもなく美しく、製作側の気合もかんじられる一作ではあるのだが、なんだかぼやっとした作品。

視点が曖昧で、かつ勧善懲悪の要素が少ないからなのかも。
斉藤慶子は主人公ながらなんだかんだ狡賢いところがあるし、強気な女将かたせ梨乃も弱くてだらしのない面がある。
悪役の南野陽子だって彼女なりの筋をちゃんと通している。

みんな完璧じゃなく、それぞれの欠点が露骨に出ている。
だからこそ、なんとなあくボヤッとしてて、けど人間味が感じられるんだと思う。

この辺り、確信的にやってると思うのですがどうでしょう。
悪役があんまり悪くなかったり、ラストを南野陽子で締めたところ(カッコいい!)なんか特にそう考えちゃう。

あと風間トオルがイケメン。無茶苦茶現代風だけど。

よくあるスリル満点の大勝負!みたいな展開は無いのだけれど、その分遊郭という舞台での哀しさや虚しさが感じられた。
(飯の話してるところは思わずのめり込んでしまった)

個人的MVPは鳥越マリが演じた銀龍。
いろんな表情の魅力を振りまいていて、とあるシーンではほんとに痺れた。
かたせ梨乃・南野陽子・斉藤慶子の三巴ではなく、そこに彼女も加えてもらいたい。
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