LEONkei

美しき運命の傷痕のLEONkeiのレビュー・感想・評価

美しき運命の傷痕(2005年製作の映画)
2.5
この世の中には反対が不可能な概念の必然だけならば息を吸うのも馬鹿らしく、食べて寝るだけのクソ面白くない人生に自分なら即刻終止符を打つだろう。

何の因果関係もなく予期せぬことが起こる偶然の積み重ねこそ、人を人生を動かし感情の螺旋階段に悲喜交々する。

その偶然を良くも悪くもロマンティックにそしてドラマチックに人は運命とも言う。

確かに偶然と言う言葉で片付けては確率的で味気ない冷めた数字の羅列でもどかしくもあるが、運命に置き換えれば人間味が溢れココロまで動揺してしまう良くも悪くも重みが出る。

色んな意味で数字は暖かくもあるが…。



ポーランドの巨匠〝クシシュトフ・キエシロフスキ〟の遺稿を映画化した本作だが、彼には人間の偶然性の深さから来る様々な必然性との関係を描く印象を強く受ける。

三姉妹其々の不遇な人生を結びつけるのは過去に起きた幼い頃の偶然の残物、その偶然の代償は心臓に杭が突き刺さったまま永遠に消えない不要な産物。



矛盾しているようだが出来ることならば確実性のある偶然を望みたいが、それは結局のところ必然も人生には避けられない偶然。

それは逃れられない運命とも言う..★,
LEONkei

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