このレビューはネタバレを含みます
人を狂わす謎の嵐の夢に苦しむ男。母と同じく精神的な病気ではないかと思いながらも彼は周囲の反対を押し切りシェルターをつくろうとするが。。。
嵐は来るんだ!と確信するというよりは自分は病気だと思うけど不安で不安でしょうがないからシェルターをつくるという感じがとても見応えがある。家族を守りたい故の不安が家族や平穏を遠ざけてしまう。
ラストの展開は色んな解釈があるだろう。この映画の終わり方として、やっぱり俺は正しかったんだという終わり方も、全ては彼の不安でその不安をを乗り越えるストーリーでしたというのもどっちもしっくり来ない。そのどっちにも落とさない終わり方はとてもよかったと思う。
あと、この映画はどうしてもキリスト教について考えてしまう。主人公が教会に対して消極的なのはコミュニケーションを取りたくないという意味もあるだろうが、終末を信じているのに安穏と日々を過ごしている周囲の人達と主人公の対比をイメージした。
見応え、考え応えのある一本。役者達のリアリティも素晴らしい。