稲葉光春

コックと泥棒、その妻と愛人の稲葉光春のレビュー・感想・評価

5.0
グリーナウェイの美意識の高さは凄まじい。全てのカットにとてつもない緊張感が走っている。特にカメラワークによって動的に変化するレイアウトにおいて、美術の配置と配色、役者の演技などを完全にコントロールできる演出力は類をみないレベルである。絵画的なレイアウトをする監督は、静的なレイアウトになりがちだが、グリーナウェイの場合は、水平方向への移動といった単純なカメラワークによって、動的なレイアウトに踏み込んでおり、静的レイアウトと動的レイアウトの中間という感じ。今でいうとウェスアンダーソン的な感じ。
ジャン=ポール・ゴルチエの衣装は言うまでもなくハイレベル。マイケル・ナイマンの音楽は天才的。音響も良い。脚本も素晴らしく、最後は演出も相まって鳥肌もの。超大傑作でした
稲葉光春

稲葉光春