silviawong

コックと泥棒、その妻と愛人のsilviawongのレビュー・感想・評価

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気持ち悪い人、悪趣味、腐敗の肉と虫、トイレや厨房の隅でのとんてもないセクシー、虐待、最後には殺人と人食いまで仕上げられた極めて下品の素材の塊。
無茶苦茶の要素ばかりだが、非常にユニークなセンスで丁寧に撮影された。
ゴミ箱に拾われた臭い豚肉を高級料理に調理され上品な店で出されるような感じで、訳わからないけど視覚的刺さられて印象に残る。その豪華さにブラックユウモアの匂いがする。気持ち悪くさせなからすごいと思わせる映画。

限られた舞台情景で撮られて次々の幕の展開に楽しめる。ミュージカルの要素を取り入れて舞台劇のような設定も独特。
カメラが舞台の壁を越えて撮り続き、絵巻のように次々と広がるという撮影方法が面白い。この映画を発生するのは現実ではなく、装置であることや、同じ時間に異なる場所で人々の動きの対比など、とても独特な世界観の見せ方だ。
舞台感が強い照明、ネオ感強い色彩、主張感強い画面構成、全ては現実と妙に距離を持つ、しっかり監督の意図の下に実行された。

我慢しなから審美眼が磨かせる。意地悪い映画だ。
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