出産とがんの治療の間で葛藤する外科医とその夫のドラマ。
待望の妊娠とがんの再発がほぼ同時に判明し,苦悩の末最終的には出産を選択するという,ある意味ベタなストーリー。
今回主人公が侵されるがんは再発性の根治の困難ながんでがんの治療をしてから出産すればよいという選択肢はなく,また主人公が医師ということで病状を知っているのは本人だけというちょっと特殊な状況である。他の作品では,少なくともがんを宣告する医師もいるが,この作品では,がんと向き合った時の気持ちを共有するものがいないわけである。
そこで,本当に「一人」でがんと出産と向き合う,というところがこの映画のミソである。
また,治療しても進行を遅らせるだけという状況で,「余命」をどう生きるか,やはり最後は自分で決めるものだと改めて実感。
出産がテーマにもなっていて,ちょっと実感がわきにくい。
夫がヒモ同然という設定も、男からは分かりにくい部分が多く、女性向けの映画だった。
(2009年3月4日)