すずす

カルメンのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

カルメン(1954年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

文字通り「カルメン」の黒人ミュージカル版。プレミンジャー監督が、ブロードウェイのヒットミュージカルを基に、スタジオが敬遠する黒人キャストのみで製作、大ヒットを記録し、歴史に名を残す名作となりました。

タイトル・クレジットはお洒落なソール・バス。

ノースカロライナ州のパラシュート工場。カルメン・ジョーンズが同僚と喧嘩し逮捕され、ジョー伍長は彼女を80マイル離れた民間施設へ連行する役を命じられる。カルメンはジョーが気に入ってちょっかいを出す関係だが、ジョーには婚約者シンディがいて、一緒の休暇がキャンセルになりそう。
道中、ジョーは時間節約の為、悪路を行くジョーは、ジープを木の橋を渡っていると川に落下してしまう。車を捨て、近くの祖母の家に行き、夕食を共にする二人。カルメンが優しい面をみせ、口づけを交わす。しかし翌朝、目を覚ますと、彼女はいません。
ジョーは囚人を逃がした罪で収監されますが、カルメンからバラ花が届き、大切に仕舞います。場末のナイトクラブで働きながらカルメンはジョーの釈放を待っていた。その夜、ボクシングのチャンピオンのハスキー・ミラーが取り巻きと共にやって来るが、カルメンは彼に興味を示さない。ハスキーはマネージャーたちに、明日の電車で彼女がシカゴに来ないと、お前らはクビ、と言われます。マネージャーは、友人たちに毛皮、ダイヤを買ってやると公言するも、カルメンは断ります。そのとき、ジョーが到着し、すぐに飛行学校に発つと、云われ、怒ったカルメンはジョーの上官と立ち去ろうとし、男二人が喧嘩になる。ジョーが上官を殴り倒す。
仕方なく二人はシカゴ行きの汽車に乗る。

粗末な賃貸部屋を借りた二人。カルメンは、服を着て食料品を買うと称して外出しますが、ジョーは見つかると逮捕されるので出られません。近くのハスキー・ミラーの事務所に行き仲間に金をせびるカルメン。軟禁状態のジョーはカルメンは尋問、イライラし、喧嘩になります。
ハスキーのスイートルームに行き、友達たちと、カード占いをすると、カルメンは、スペードの9(死の予感)を引き、残りの人生を享楽することに決めます。
ジョーの婚約者のシンディが、ハスキー・ミラーの新聞でカルメンの居所を知り尋ねてきたとき、ジョーも控室を訪れます。ジョーはハスキーにナイフを向けますが、ハスキーが叩き落とし、カルメンはMPに捕まらないようにジョーを逃がし、婚約者シンディを故郷に返します。

ジョーは、ハスキーの試合に潜り込み。ハスキー勝利に沸く面々が楽屋へ戻る通路で、カルメンを拉致、倉庫に押し込みます。
カルメンがジョーを拒絶、彼女を殺すか手放す必要があると言うと、ジョーは彼女を絞め殺すと、MPが扉を開けます―――――

映画監督にもなるハーバート・ロスがノンクレジットで振り付け、彼にとって初の映画振り付け。しかし、踊りが余りなく、少々がっかり。
やっぱり、現代っ子は映えるミュージカルが観たいのですよ。
プレミンジャー監督はドラマ重視の作りを目指したらしいのですが、主演女優を抱くのに忙しかったからか、仕事半分さぼった様にも思えます。

Fox製作の本格シネマスコープ(アスペクト比2.35のシネスコ社製カメラで撮られた映画)でしたが、構図も特段に際立ったものではありませんでした。
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