サスペンス映画の名作です。
フランス風味のストレンジテイスト。
『太陽がいっぱい』『禁じられた遊び』のルネ・クレマン監督作品。
チャールズ・ブロンソンと、マルレーヌ・ジョベールの2人の魅力で引っ張っていく物語です。
衣装の色使い、おしゃれ。
サスペンスを盛り上げる、
“雨の訪問者のワルツ“も素敵でした。
雨の降る日、夫の帰りを待っていた主人公メリー(マルレーヌ・ジョベール)は自宅で男に乱暴される。
隙をついて、メリーは猟銃でその男を射殺する。
そして死体をマルセイユの海に捨てる。
次の日、謎の男ドブス(チャールズ・ブロンソン)が現れ、「赤いバッグを渡せ」と凄んでくる。
ドブスは、メリーの殺人と証拠隠滅を知っているふう。
認めさせようとするドブスと認めないメリーの間に2人の心理戦が展開する。
ドブスはメリーを追いつめていく一方、別人から軟禁されていたメリーを助けたりもする。
敵なのか、味方なのか。
飛行機の副操縦士の、留守がちな夫の行動もあやしい。
小道具で使われた胡桃が印象的でした。
2人は胡桃を使って、何度かゲームをします。
ドブスがクルミを投げても窓ガラスは割れないのに、マルレーヌ・ジョベールが投げるといつもガラスが割れてしまう。
「恋をした人が胡桃を投げるとガラスは割れる」とドブスは、メリーをからかいます。
事件がひと段落し、ドブスが去り際に、胡桃を投げるとガラスが割れるシーンがラスト…
最初の方ではそうでもなかったけれど、ショートカットのマルレーヌ・ジョベールを、観客もいつしか好きになっちゃいますね。