備忘録

ある結婚の風景の備忘録のレビュー・感想・評価

ある結婚の風景(1974年製作の映画)
5.0
無限に死を死ぬるがごとき人生において、ほんの束の間、浄福なる生の静けさを感ずる瞬間がある。人々は沈黙の痛苦に震え、無の不安に戦いている。愛は不確かな観念に過ぎず、最早死の恐怖から、永遠の滅びから逃れることはできない。人々は己が孤独のうちに無限に死を経験する、信頼できる者は誰もいない。独りぼっちだ。しかし、愛が真実な実在となる時がある、それは一刹那のできごとにすぎないが、そこに唯一信ずべき永遠なるものが現存している。
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