囚人13号

栄光の都の囚人13号のレビュー・感想・評価

栄光の都(1940年製作の映画)
4.5
再見。4度目くらいだけどやっぱめちゃくちゃ良い。スラムで育った不良がビル群の林立するアスファルト舗道を歩くにはその拳で地位を獲得するしかない、冷たく壮大な「町」がひとつの登場人物でもある。

ゆえに決定的な挫折を体験したキャグニーは都市での存在権を失効し、弟の誘いも立場を自重するように頑なに拒んで新聞屋(ここの都会とスラムの中継点みたいな土地感も素晴らしい)のラジオから、今や大作曲家となった彼の演奏に耳を傾けている。
『民衆の敵』以来反復されてきた暴力で成り上がるキャグニーとインテリな弟という兄弟間の対比も、今回は冷酷な町と反対にその温かさが染みる。

コスミック出版から出てるぞ!!
囚人13号

囚人13号