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栄光の都のlemmonのレビュー・感想・評価

栄光の都(1940年製作の映画)
3.2
ニューヨークに住む若者が夢と現実とで悩み、何をもって栄光なのかと、考えさせられた。

主人公はなかなかつらい末路を辿る。彼はもともと平凡を求めていた。
幼なじみでダンサー志望のヒロインは、夢を追うことを素晴らしいと語り、主人公を鼓舞するが、結局は彼女の末路もまた悲しいものがある。また追い討ちをかけるように主人公を間違った方向へと導いたかのような結果存在となる。

キャグニーの演技は的確だが、良い人過ぎるきらいがあり、感動はしたが、複雑な気持ちにさせられた。理想は彼のような心を持つことだが、返って非人間的で気持ち悪さを感じた。役的にはアンシェリダンのほうが説得力はあったかな。
※強姦されるシーンは撮り方伝え方自体は褒めるが、きついなあ、、、言いにくいが見せない工夫としてはこれ以上ない。「欲望という名の電車」のブランチよりよっぽど生々しかった。


全編通して見やすい。とことん落ち込ませる映画が全て良いわけでもないが、物語に対して、相反する軽さは否めない。ストーリーテラーの存在もプラスとは思えなかった。


若き日のアーサーケネディ、アンソニークイン、エリアカザンの登場あり。ギャング役のカザンはミスキャスト、顔が可愛すぎる。アンソニークインのイヤらしさが完璧だった。
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