柑子まりひろ

素晴らしき哉、人生!の柑子まりひろのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.2
100年近く前の映画だというのにボロボロ泣いてしまった。

ストーリーは、神と天使が自殺しようとしている主人公の半生を振り返るところから始まる。
一人前に一歩届かない天使への試練として、1人の人間を救うように神様が命じているのだ。
天使が救うべき主人公は、大金持ちが牛耳る街で小さな銀行を営んでいた。
あまり稼ぎがない労働者たちにも気前よく金を貸して、多くの住民たちの暮らしを助けてあげている善人だった。
大金持ちはこの銀行が気に入らず、あの手この手で潰そうとするが上手くいかない。
しかしある日、主人公の銀行が収めるはずのお金を大金持ちがネコババしてしまう。
このままでは借金に押し潰されて、銀行は破産。家族にまで累が及んでしまう。
そう考えた主人公は自らの生命保険金を頼りに自殺する覚悟を決めるが、そこに天使がやってきて……?
と言った導入。


正直、映画の時間は間延びしていて長いし、今の映画ほど演出は凝っていないし、物語りも少しだけ単調で、現代ならば技術も映像ももっと素晴らしいものはきっとたくさんあると思う。

だけど、それでもこれほど美しい話は今の世の中にもなかなか無いんじゃないかと思う。

人は誰かと支え合って生きているんだと、そう思わせてくれる、今となっては純粋過ぎる美しいお話でした。

ラストシーン本当泣くのよ……。



それにしても戦後すぐこんな映画作れるアメリカヤバいよね。戦争、勝てるわけないよね。
とも思わせてくれる味わい深い映画でした(?)