ペコリンゴ

素晴らしき哉、人生!のペコリンゴのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
5.0
記録。
「投げ縄で月を捕まえよう」

フランク・キャプラ監督による不朽の名作。あのスピルバーグも愛した一本であり、70年以上の時を経て語り継がれるのも納得の傑作。

遂に鑑賞!
やっと皆さんに追い付けた気がしますw

主人公ジョージ・ベイリーに捧げられる多数の祈りから始まる本作、聞けば彼は絶望から自らの命を捨てようとしていると言う。天界は彼を救う使者として下っ端天使のクラレンスを指名。我々はこのちょっととぼけた天使と共にジョージの半生を覗き見る事になる。

彼は何故に死を選ぼうとするに至ったのか?
クラレンスは如何にして彼を救うのか?

…いやぁ参りました。
この圧倒的高揚感と多幸感は何事でしょう。

大きな理想を抱きながらも自らを犠牲にしてきたジョージ。思うようにいかずとも他人を妬む事はせず、その一方で大いに弱みをも見せつける。要するに人間味がある。

そんな彼のこれまでの歩みをたっぷりの時間を割いて描くが故のスーパーカタルシスが終盤で待ち受けています。

演じたのは第二次世界大戦から帰還したばかりのジェームズ・スチュアート。英雄として凱旋した彼が戦争映画のオファーを断り、このヒューマニズム溢れる作品に出演した事実が素晴らしい。

ジョージの妻となるメアリー役のドナ・リードの愛らしさもモノクロに映えまくってるし、作中ほぼ唯一の悪人ポッターを演じたライオネル・バリモア(ドリュー・バリモアの伯祖父)の憎たらしさも印象深い。

これ好き!ってなるシーンも多々で、
・聞こえない方の耳に囁く告白
・ダンスフロア下のプールへの飛び込み
・THE ロマコメな夜の幽霊屋敷前
・熱烈な抱擁とそれ見て逃げ出すメアリーママ
・天に向かってのウインク(イケメン)

他にも…いや、もう数え切れない、全部好きw

人は他者への感謝はしても自分へのそれはしない生き物。でも貴方の存在や行いは誰かにとっての感謝に。

そんな自己肯定感をくれる映画。
世界の見え方すら変える力を持った力強い傑作でした!