genarowlands

天使の復讐のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

天使の復讐(1981年製作の映画)
3.9
下高井戸シネマにて、補助椅子も出るほどの盛況ぶり。『ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック』出版記念で、映画の中の多様な女性像を特集している。

前情報いれて鑑賞。コメディホラーで、言葉を発せない障がいある女性、スーザンが同じ日に二度レイプされ、突如男性を殺戮する殺人鬼と変貌する。

確かにコメディホラーではあるのだが、正直に言って、満席以上の盛況のなか、女性は数人、圧倒的男性の中、女性が乱暴される作品を観ていることに居心地の悪さや不安を感じた。もちろん、配信も上映もなく、シネフィルにはレアな作品なのだが。どこまで女性の気持ちに寄り添って観ているのか、リベンジ殺人というバイオレンスに爽快感を感じているのか…

夜道で後ろからの足音に不安を感じて振り向いて女性で安心すること、あるいは男性で微かな不安を覚える女性の心理がわかれば、この作品がメタファーであることがわかるだろう。

言葉を発せないことは女性の立場を表し、無抵抗の弱さに通じる。

スーザンが撃ったのは、女性を理不尽に暴力的に支配的に扱う男性たち。

スーザンが撃った仲間は、男性優位の社会を暗黙に容認している人たち。

スーザンを殺したのは、女性もまた男性優位の社会に声を上げず、名誉男性である女性。


と見ることができた。
genarowlands

genarowlands