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北緯15°のデュオのmhのレビュー・感想・評価

北緯15°のデュオ(1991年製作の映画)
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フィリピンで戦跡めぐりをするなら事前学習にもってこいていうか、そのために作られた映画のような気がする。
主に神風特別攻撃隊がテーマ。
特攻隊ゆかりの地を巡ることで展開していくせいか、時系列と地理をちょいちょいぶっ飛ばしている。
途中途中で挿入される、実際の戦闘の映像が(尺も長くて)すごかった。
戦後フィリピンで裁かれた山下大将ら戦犯たちの処刑シーンもある。
ルソン島北部の(主に陸軍と在比邦人たちが経験した)極限の飢餓状態については言及なし。
マニラ人の反日感情がすさまじいことにも触れてるあたりで、この映画が極めて誠実に作られていることがわかる。まあ戦跡巡りの事前学習ムービーだったらなおさら触れておくべき部分でもある。
ドラマ部分が凡庸なんだけどそれでもわりと見れちゃうのは、この頃はもう名優扱いだった川谷拓三の魅力のおかげかもしれない。
拓ボン(当時50歳)の飛び込みとクロールすごかった。ときおり高倉健に見えた。個人的に川谷拓三と高倉健は同じ箱(演技は下手だがはまるとすごい威力を発揮するひとたちボックス)に入れてるので、ダブって見えてもしっくりきた。
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