後から感情が引き摺られる様な余韻を残す、風光明媚な山奥の温泉場に、行きずりの人が飛び交う宿で、東京からの学生グループ、女子ハイキンググループとの追っ掛けっこしてやって来た盲の按摩徳大寺伸と日守新一が、不具者故のカン鋭くお客さんを見つめた清水宏監督の抒情佳篇。乗合馬車の叔父佐分利信と甥爆弾小僧、女一人高峰三枝子が別々の宿に泊まる。徳大寺は、東京の香りのする高峰の肩を揉む。高峰と爆弾小僧が親しくなり、その縁で佐分利は宿泊を延長する。爆弾小僧は、退屈になり徳大寺と遊ぶ。その間宿荒らしが発生、佐分利等は馬車で去ると、警察の立ち入りが始まった。徳大寺は、高峰を裏口から逃すが誤解だった。高峰は妾生活の嫌さに逃げていた。そして、高峰も馬車で去り、徳大寺は残った。