Sho

野良犬のShoのネタバレレビュー・内容・結末

野良犬(1949年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦後、復員兵の新人刑事・村上が拳銃を盗まれる。
窃盗犯を捜索中に、その拳銃によって強盗傷害事件が発生する。自責の念にかられた村上は辞職を試みるが、上司から事件の担当に任命される。

村上は佐藤警部と共に、犯人の足取りを追う。
掴んだ情報により拳銃の闇ブローカー本多をまず逮捕。拳銃を貸し出す際に本多が担保として預かっていた通帳から、遊佐という名の男が容疑者として浮上する。2人はさっとく遊佐の粗末な実家を訪ね恋人ハルミの存在を掴む。
情報を得ようと試みるが口を割らないハルミ。そしてついに盗まれた拳銃で殺事件が発生してしまう。村上と佐藤はハルミの家を訪ね、その際見つけたホテルのマッチを手がかりとして佐藤は遊佐の居場所を突き止める。佐藤がハルミの家で待機中の村上に電話をかけている間、捜査の手が自分に迫っている事に気づいた遊佐は逃走を図る。その後を追いかける佐藤を打った銃声が受話器越しに聞こえ、村上は絶叫する。

失意のどん底にいる村上にハルミが訪ねてきて、遊佐と駅で待ち合わせる予定を告げる。
遂に村上は遊佐と対面するが、村上に気づいた遊佐は逃走。遊佐を追い詰め、取っ組み合いの末、手首に手錠をかける村上。


終戦直後、貧困に喘ぐ野良犬のような復員兵の若者は強盗を働き、ついには殺人を犯す狂犬に成り下がる。
盗むより悪いことをしなければ買えない値段のドレスを恋人のハルミに買い与えるために。
村上と遊佐は同じ復員兵であり、同じく復員する際に全財産の荷物を盗まれている。その後、片方は刑事に、片方は犯罪者に。「世の中に悪い人間はいない、環境がそうさせる」自分も遊佐と同じ運命を辿ったかもしれない、そう思うが故の村上の言葉だろう。
村上と遊佐が闘う中、上流階級の家から流れてくるピアノの音が切ない。
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