猫の輪郭

野良犬の猫の輪郭のネタバレレビュー・内容・結末

野良犬(1949年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

凄すぎ。

美しき映像言語。
象徴的なシーンが沢山あってクラクラした。
真っ直ぐな線路を進んでゆくシーンや、階段降りてくる足元、並木ハルミが取り残される引きのショットはやけに意味深でハッとさせられる。

対位法。
悲劇的なシーンと対極の音楽が流れる訳だが、その曲が流れるにも最低限の理由がないと説得力に欠けるけど、この映画では、楽曲の発生源である、機材や演奏者や歌う子供達がちゃんとそこに存在しているから、辻褄が合っていてズシンと響く。

ドレス着て回るシーンは爆笑した。
自身の善悪の責任に翻弄されて、吹き出た意地が滑稽で、美しい。
滑稽に見えるのは、人間の本当だから。

足元を映すシーンが多い。
泥で汚れた靴。
善はいとも簡単に悪に転落する。
人間は動物とさして変わりなく、あるのはほんの少しの自由意志。
猫の輪郭

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