もりすけ

野良犬のもりすけのネタバレレビュー・内容・結末

野良犬(1949年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

今見ても、ハラハラドキドキさせるサスペンス映画。戦争の帰還兵が犯罪を犯す、という意味ではスコセッシの『タクシードライバー』との類似性を感じる。

同じ帰還兵である主人公の村上(三船敏郎)は、自分が光なら犯人は闇で、表裏一体であると同情心が見られるが、同僚刑事の佐藤(志村喬)は、それを否定する。スコセッシとの違いは、同情心に対してキッパリと悪い者は悪い、と黒澤監督が断じていることだろう。

悲劇的なシーンの前の雨の描写や、「何か悪い予感がする」という三船の台詞(スターウォーズ的には”I have a bad feeling about this.”という台詞?)は観客に悪いことが起こることを知らせる演出は教科書的で勉強になる。街並みや人々の心情など、戦後の雰囲気を感じられる一作。
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