イチロヲ

千一夜物語・魔法のランプのイチロヲのレビュー・感想・評価

千一夜物語・魔法のランプ(1945年製作の映画)
4.0
王女に一目惚れした青年アラジンが、数々の苦難を乗り越えながら、王宮内の揉め事に干渉していく。イスラムの寓話集「千一夜物語」をパロディ化している、アラブが舞台のファンタジー映画。

「千一夜物語」に関するメタ発言と現代の言葉遣いが意図的に使用されている作風。テクニカラーの極彩色が最大限に活かされており、アラブ文化を基調にしたアバンギャルドなアートワークに目を奪われる。

バリトンボイスの歌唱で女性陣を蕩かす青年アラジン、窃盗癖をもつアブドーラ、女性の姿となって現れるランプの精ジーニーが主人公のグループ。一方、王宮側のドラマは、王の弟が権力の掌握を画策しつつ、宰相が王女に結婚を強制して、ナンタラカンタラ。

女性版ジーニーのあっけらかんとしたキャラが魅力満点に描かれており、「人間の恋心は魔法の範囲外」としながら、アラジンの恋路を邪魔立てしていくところが面白い。実質的にジーニーの一挙手一投足を楽しむための作品という印象。
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