ひとりごとです

オセロのひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

オセロ(1995年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

悲劇だった…
苦しいなあ心が!

本当に悲惨だ

無垢であるが故に
それぞれが愛を信じるが故に

真っ直ぐに信じ
疑い
庇い
寄り添い
希望を抱き
自分の心にケリをつけようとする

理性が全てを止めてくれるならば
その理性が死んでしまうと
人は、まるで獣のように
空っぽになったその空白を
埋めようとする

そこにあるのは愛で
真実なのに

どうしようもない
真実か嘘かも分からないような
言葉が

毒のように人を蝕む

じくじくと、
身体を侵食して

その進行を早める言葉を
飲み込みやすくしてしまう

イアーゴは
欲しかった地位を得た時
ぎゅうと顔をよせて
その事実をくれた相手を抱き締めた

ただ

本当にみんな
自分の満たしたいものを
必死に追いかけてしまっただけで

悪魔、という言葉を
あてられても

仕方がないことをしたが

どうしようもなく
人間なんだね

彼もきっと自分の言葉に
蝕まれて

毒を仕込むつもりが
その毒に
自分すらも
あてられてしまっていたんだ

最初は何も嫌な味はしない

でも
嫌な味がするように

なってしまったんでしょう

どうしようもなく
本当にどうしようもなく

ほしいものが
愛した人が

あって、いたんだ

・・・・・
夜中に船を漕ぐシーンから始まる
この2人はどこへ
何のために水辺を進むのだろうか

船には
美しい女性と
仮面を顔に当てる男性が乗っていた

どうやら
位の高い人のようだ

彼女がかけて来るのをみて
到着した場所の人は逃げていく

なにか真っ直ぐに見つめる女性

会議が始まるようだ

キプロス島が敵だと告げる
それを倒すには誰が適任か
という問いに
オセロ という名が上がる

女性が男とキスをするのを見て
怒るロダリーゴ
その隣にはイアーゴと呼ばれる男が

イアーゴは将軍の副官になりたかった
だがそれはカシオと呼ばれる男に
取られたそう

そして彼は
人に使えるのには目的があり
愛や義務で従う訳ではなく
魂胆があるのだと告げる

ロダリーゴは運が続くと思うなよ、と
彼に怒りをぶつける
彼が思いを寄せるのはあの娘
娘の父に関係を許されていない

娘の男は将軍だった
イアーゴが従える相手だ
それがオセロだ

父はブラバンシオ

大公はブランシオやオセロを慕っている

娘の名はデズデモーナ

彼女は私の身の上を愛し、
私は彼女の優しさを愛しました

デズデモーナが愛したの男はムーア

貶めようとしたが
男と娘は許されてしまう
失敗に顔をしかめるロタリーゴ

オセロの心に真の優しさを見いだし
名誉と武勇に私の魂と運命を捧げる
その心でいるのに
夫を1人で遠くの戦へ送るのかと
デズデモーナはいう

大公は、ついていくことを許す
そしてブラバンジオにオセロの
真っ直ぐさを称える言葉をあてる

父を騙した女だ
お前も騙される

父はそんなオセロを目で捉え口にする
そんなことはないと
男は答えた

イアーゴはオセロに慕われている
お前の妻と共に私の妻も行動させようと
言うからだ

オセロとデズデモーナが認められるのを
終始みていたロダリーゴは
イアーゴに生きている意味がないことを
告げる

そう嘆かれた彼は
28年世間を見た
人間とは理性でいかなる感情も
色欲も抑えられる
愛も欲望と同じだと語り

戦に変装してついてこいと言う
いつかデズデモーナはオセロに飽きる
その時を狙えと言うのだ

彼はロダリーゴがどうしたら行動に移るかを理解している
付き合いは長そうだ

ロダリーゴは絶望の表情を変え
期待の眼差しで足を進める

冒頭で語った言葉
イアーゴの抱える魂胆がここで明らかになる
知恵は使うためにある
金は楽しく儲けたい
オセロは俺の女を抱いたかもしれない
疑いだけでも許せない
きっかりかたをつける
俺でなく副官にカシオを選んだ事実も
奪ってやる

男としてのプライドが
彼を急き立てるのだろうか

みんな聞いてくれ
トルコ軍は全滅だ!というオセロに
湧き上がる群衆

その中には
モンターノと呼ばれる男
オセロの友であるらしい

ビアンカはカシオに色目を使う
それに応える

沢山飲んだカシオは
酔っているのではないかと
周りに、いやイアーゴに支えられる

その事実を認めぬまま
周りはイアーゴの巧みな言葉と
行動によって
彼を酔っ払いとして見始める

作戦通りにロダリーゴは
彼を怒らせ、殴る行為まで及ぶ

それを止めようとするモンターノに
剣を抜くカシオ
酔っ払っているのだ、という言葉に
カット来てしまったのだ

怒りに身を任せてしまったカシオは
暴れ
モンターノを刺してしまう

人が理性によって物事を収めているならば
それを崩してしまえばいい

それが彼の狙いだ

モンターノはキプロスの元総監
その男を襲い、刺してしまった

イアーゴの狙い通り
カシオは副官の座から下ろされてしまう
事実に失望する彼に
オセロとの亀裂を
デズデモーナに埋めてもらおうと提案をする
イアーゴ

悪魔は天使の姿を借りて地に降りる

デズデモーナがカシオを庇うのは
欲があるからだと
嘘という毒をオセロに注げば
彼は彼女が必死になればなるほどに
疑惑を抱くだろう

私が悪魔なものか
そう微笑むイアーゴ

忍耐を知らぬものは哀れだ
知恵は時の流れと共にある

ロダリーゴは、金を使ったのに
女はずっと手に入らないと
怒りに震える

もうすぐだと、希望を見せるイアーゴ
その傷のおかげで1歩進んだのだと

今度は歓喜に震えるロダリーゴ

名誉を失う恐ろしさ
嫉妬の凶悪さを
まるで自分の事のように
いえ、きっと重ねて
言葉をオセロに伝える

このシーンで、
このイアーゴの言葉が刺さる為のには
冒頭のブラバンシオの忠告が
生きている必要があるのだ

毒は
初めは特に嫌な味もしないが
血の中に少しでも入ると
どんどん広がる

男は胃袋で
女は食べ物
イアーゴの妻は
イアーゴに目を向けて
その言葉を発する

嘘か真実かは
どうだっていいんだ
その疑いだけで
心は平静を失う

それだけで、自分を保つ理性は
グダグダに、グダグダになってしまう

愚か者は罠にかかる
罪もないのに辱めを受けるのだ
また画面に向かい
イアーゴはうちを語る

手に入れちまった
副官という立ち位置を

グラチアーノという男
それはデズデモーナの叔父

エミリアと呼ばれる女が
イアーゴの妻

ベネチアの人達が集まる食事へ
イアーゴはデズデモーナを誘う

そこへくるのが
怒ったロダリーゴ
放ったらかしは我慢ならない
もう俺はデズデモーナに直接逢いに行く
今夜、今夜、
デズデモーナを抱けなければ
その代償を払おう

今夜で決まる
運が花咲くか、尽きるか

いつまでも続くと、
彼自身が思っていない

誰も気づかぬ闇夜なら
過ちも、
夫を帝王にする為なら
浮気もするわ、と
しとやかな嫉妬の仕返し
教えてやらなくては
妻が悪いことをするのは
夫を見て覚えたのだと、微笑み
おやすみとキスをする

エミリアとデズデモーナ

カシオの闇討ちを狙った
ロダリーゴは
その背を狙うイアーゴに使われる

畜生騙したな、と
口から血を流すロダリーゴ

泣きながら
デズデモーナを殺すことを
決意するオセロ

灯火を消さねば
命の灯火を

キスをする

命よりも大事に思う人を、

これ以上罪を犯し
愛が変わらぬうちに

起きたデズデモーナに
殺すことを告げる

死で報いろと

呼吸を塞がれる行為に
抵抗していた手は
愛おしい人に触れる手つきで
彼を撫でる

エミリアは
愚か者だと、オセロに言葉を浴びせる

誰よりも清らかで
天使のような人を殺めたのよ
うめき苦しみなさい

全てはイアーゴに聞いたと
エミリアに告げる

陰謀だ
そう、ハッとする彼女は
自分が拾って渡してしまった
ハンカチが原因であることを知る

血を流し
ベッドにはうロダリーゴを見て
恐れるイアーゴ

真実を語りながら死にます

エミリアが口にした言葉
それはデズデモーナの言葉に寄り添う

オセロは全てを知り
イアーゴに剣を

今の俺にとって
死ぬことは幸福だ
オセロは

なぜだ

問いには応えない

愚かしいほどに
愛した女の為に
心を乱して
宝を投げ捨てた

夕日を背に
船を漕ぐ
その水の中に
事実を